ねじすじにシールとロック効果を科学的に機能させた
それが「プレコートスレッド」です。ねじすじを、あらかじめケミシールコーティング剤によって化学的処理されたボルト、ナット、ビス、継手などの締結部品は、いったん組み付けられると極く自然にシールやロック効果の機能を発揮します。
■ ケミシール G 一 160 、 161 によって化学処理された「プレコートスレッド」は、組み付けるとねじすじのマイクロカプセルが瞬時に重合反応を開始して、ねじ部のゆるみともれを完全に防止します。
■ ケミシール G 一 175 によって化学処理された「プレコートスレッド」は、組み付けると、ねじすじの加硫されたフッ素系高分子ゴムの超密着性により、ねじ部からのもれを完全に防止します。
す。
二次的作業をすることなく、ライン内でそのまま使用できる
それが「プレコートスレッド」です。本来、ボルトやネジ等に代表される締結部品は、「もれる」「ゆるむ」という問題を宿命的に抱えておりました。この対策として従来からいろいろな手段や方法がとられてきましたが、根本的な解決にはなりませんでした。何れも作業が非能率的であるとか、作業の均一性を欠き性能の面でバラツキが生ずるとか、コスト的に高くつくなどの欠点がありました。そこでかかる二次的作業をすることなく、作業現場あるいはライン内でそのまま使用できる締結部品であって欲しい、という要望があるのは当然です。そのまま使用できるということは、ラインにおけるボルト等の締め付けを合理化することができるということですが、「プレコートスレッド」はこれらのことをいとも簡単に可能にしました。作業を自動機械化して、コストダウンにつないで下さい。
■ ケミシール G 一 160 、 G 一 161 による「プレコートスレッド」
1 .
一般的特長
種類
色調
適用ねじ寸法
カプセル径
固着力
耐熱限界温度(℃)
硬化速度(20〜25℃)
μ
kg-cm
シール
ロック
実用強度までの時間
最終強度までの時間
G-160
青
M1.2〜M40
20〜70
380〜550
170
90
1時間から2時間
48時間
G-161
橙
M1.2〜M40
20〜70
480〜640
170
150
20時間から30時間
72時間
2 .
材質と固着力
ボルト材質
固着力 (破壊トルク) kg-cm
ケミシール G-160
ケミシール G-161
鉄生地
420〜480
540〜680
真ちゅう
410〜500
330〜400
アルミニウム
360〜440
290〜350
ステンレス
500〜600
580〜700
亜鉛メッキ
370〜450
500〜560
クロメートメッキ
360〜560
530〜680
クロムメッキ
360〜520
520〜630
ユニクロメッキ
450〜520
520〜580
ニッケルメッキ
430〜500
480〜550
黒染め
400〜510
520〜600
(注)ケミシール G-160 、161で塗布加工したJIS級M10X1.5各種材質のボルトを組み付けて、室温に
48時間放置後固着力を測定しました。
使用ボルト、ナット:JIS級M10X1.5各種材質
締付トルク:30Okg-cm
試験本数:各10本
3 .
ボルトサイズと固着力
ケミシール G-160
ケミシール G-161
ボルト径
締付トルク
戻しトルク
戻しトルク
M3×0.5
10
11〜13
12〜15
M4×0.7
20
18〜28
28〜34
M6×1
80
90〜105
80〜120
M0×0.25
150
180〜220
220〜270
M10×1.5
300
420〜480
540〜680
(注)ケミシール G-160 、161で塗布加エした各サイズのボルトを組み付けて室温で48時間放置後固着
力を測定しました。
使用ボルト、ナット:JIS級M3〜M10鉄生地
試験本数:各10本
4 .
各温度下における固着力
締付トルク
300kg-cm
戻しトルク
ケミシール G-160
ケミシール G-161
-40℃
500〜600
550〜690
-20℃
480〜560
550〜690
25℃
420〜480
540〜680
50℃
410〜460
540〜680
80℃
300〜370
500〜600
100℃
250〜320
400〜500
120℃
220〜260
350〜400
150℃
180〜210
320〜350
(注)ケミシール G-160 、161で塗布加エしたJIS級M10X1.5鉄ボルトを組付け室温に放置し、下記の
温度下に 2時間保持し、直ちにその戻しトルクを測定しました。
5 .
熱劣化試験
温度
固着力(kg-cm
)
連続加熱時間
80℃
100℃
120℃
150℃
0時間
430
同左
同左
同左
1時間
450
548
446
430
2時間
394
552
412
544
4時間
425
480
474
588
8時間
484
468
472
615
15時間
502
496
548
644
24時間
520
536
568
640
48時間
510
506
624
620
72時間
600
588
656
640
120時間
628
532
620
616
(注)ケミシール G一160で塗布加工したJIS2級M10X1.5鉄ボルトを300kg-cmのトルクで締め付け、室温で
48時間放置後、下記の温度下で連続加熱し室温に放冷後、戻しトルク(固着力)を測定しました。
6 .
耐薬品性
薬品
浸漬条件
ケミシール G-160
ブランク
RT×7日
420〜480
水
95〜100℃×7日
540〜660
ガソリン(レギュラー)
45〜50℃×7日
350〜450
エンジンオイル ♯30
95〜100℃×7日
500〜640
ギヤオイル ♯90
50〜100℃×7日
560〜660
不凍液
95〜100℃×7日
600〜660
(注)ケミシール G一160で塗布加工したJIS2級M10×1.5の鉄ボルトを300kg-cm のトルクで締め付け
下記各種薬品に浸漬後、室温にて固着力を測定しました。
■ ケミシール G一175による「プレコートスレッド」の特性
1 .
塗膜密着性
試験項目
試験方法
結果
碁盤目試験
JISB2301による。試験片は軟鋼板、真鋳、アルミ、銅ステンレス。
各試片とも 100 / 100
エリクセン試験
JISZ2247エリクセン試験A法による。試験片(同上)
各試片とも 7m / m 以上
屈曲試験
80度に折曲げる。試験片(同上)
各試片とも異常なし
デュポン衝撃試験
JISK5400
耐衝撃B法による。試験片(同上)
各試片とも異常なし
(注)各試験片とも、50μに塗り、130℃でx30分熱処理したものを用いました。
2 .
耐薬品性
薬品名
重量変化率
耐油性
ASTM No.1-oil
ASTMNo.3-oil
エンジンオイル( I 社純正)
エンジンオイル( T 社純正)
エンジンオイル( N 社純正)
作動油(日石スーパーハイランド)
ギアーオイル
ブレーキオイル
試験方法 JISK682Oによる
但し浸漬条件 100℃×96Hr
0.80%
2.04%
2.10%
1.80%
22.00%
2.00%
1.20%
2.40%
耐酸性
耐アルカリ性
10%硫酸
10%硫酸
10%苛性ソーダ
浸漬条件 常温×7 日
1.50%
0.20%
1.20%
対冷媒性
フレオン 11
フレオン 113
臭化リチウム液
浸漬条件 常温×7 日
15.10%
4.30%
7.60%
耐ガス性
*
都市ガス
プロパンガス
変化 なし
変化 なし
耐ノルマル
ヘキサン性
常温X24Hr
常温X96Hr
2.80%
3.40%
*鉄及真鋳板に G-175を100μの塗膜に塗り各ガスの飽和領域に暴露(3ケ月)しました。
尚、同試片を用いて碁盤目試験、屈曲試験した結果異常ありませんでした。
3 .
耐圧性(もれ試験)
試験方法
初回締めの場合
もどし後再締めの場合
ねじサイズ
塗布厚み
初回締付力
もれ
トルク保持率
もれ
トルク保持率
PT 1/8
120±30μ
150kg-cm
もれ
110〜120%
もれ
110〜130%
PT 1/4
150±30μ
350kg-cm
なし
115〜120%
なし
120〜130%
PT 3/8
150±30μ
700kg-cm
なし
110〜120%
なし
110〜120%
PT 1/2
150±30μ
900kg-cm
なし
110〜130%
なし
110〜130%
(注) 360kg-m
2
→0kg-m
2
→360kh-m
2
→0kg-m
2
を5秒毎に可変加圧できる性能を具備する試験機に4ヶの
試片を設定できるフランジを装着、連続15万回の加圧を行なった後の漏れ及び戻しトルクを測定、トルク保持
率としました。尚、戻しトルクを測定後、規定トルクに再締めを行ない上述同様の加圧をして、漏れ並びにトルク
保持率を測定しました。